情報生物学講義
 
(1) 発刊に当たって
 ゲノム解析が生命科学にもたらした諸々の影響の中でも、情報科学と生命科学の融合は最も重大なものである。
 ゲノム解析の当初、それは大量の情報を処理するための生物情報処理であったが、やがて新しい方法論を発展させながらゲノムに誌されている遺伝情報の解読 に威力を発揮するものへと成長し、生命のメカニズムを解明する研究に全く新しい領域を 創出するようになった。今日では、ゲノムを通して広く見えるようになった生命システムの研究や、これからの生命科学で何をするべきかを考える上でも不可欠 のも のとなっている。この新しい科学の領域を生命の科学という視点から見れば、情報生物学と呼ぶのが相応しい。
 当然、この新領域の担い手は生命科学と計算機科学・情報科学を一身に体現できる研究者でなければならない。
 1990 年に発足したヒトゲノム解析は当初からこのことを意識し、その発展と共に新しく優れた研究者を生み出してきたが、次世代の人材養成に関しては強い要望にも 関わらず種々の困難に阻まれて順調にことを進めることが出来なかった。
 情報生物学適塾はこのような状況を「全てボランテイア形式で」打開しようとした試みである。そのモデルは1961,62 年に開かれたファージ講習会であり、初期の分子生物学普及の為に金沢大学医化学教室で無償奉仕の精神によって開かれ、受講生の殆どが以降の日本の分子生物 学の発展に寄与する研究者となったという歴史を持つ。
 情報生物学適塾は2001,02 年の春に開かれ、第一線の研究者約20名に講師を依頼して、得意分野の講義と実習を無報酬で担当して頂いた。講習会は二十日間にわたる合宿形式で、全国か ら公募で選ばれた十数名の若い研究者が自費で参加。その世話は(財)国際高等研究所が無報酬で担当した。これをサポートするのに必要なコンピュータシステ ムの設営と世話には(株)日立ソフトウエアエンジニアリングと(株)国際電気通信基礎技術研究所の無償協力を得た。必要経費は主として高等研が負担した が、関西の関係企業及び(財)武田計測先端知財団理事長武田郁夫氏と日本バイオロジカルズ(株)社長所源亮氏の個人的な寄付も仰いだ。さらに文部科学省、 科学技術振興事業団、(社)関西経済連合会などの後援を受けて実現に漕ぎ着けた。
 適塾という名は、公的支援を待たずに自らことを進め、有為な人材を輩出した緒方洪庵にあやかったものである。情報生物学適塾という講習会は二回で終わる ことになったが、人々が高い目標を追う姿勢とそれを支える情熱、それから新領域を切り開きつつある講師の講義レベルの高さには特記すべきものがあった。
 本シリーズはこのようないきさつから生まれた講義を、より大勢の人々と共有したいという願いから企画された。講義記録を受講生が文字化し、それを夫々の 講師にモニターしていただくという方式をとったので、テキストの全体的統一が図れなかったことはお許し願いたい。出版は高等研で実験中のインターネット出 版形式を取ることになった。高等研のホームページを通して購入いただく方式なので、一般の人々の目に触れ難いという難点があるが、幾つかの利点をもつ実験 的出版方式である。本書を手にした読者の支持と協力をお願いしたい。適塾というボランテイア形式で新しい情報生物学の発展と次世代の人材養成に寄与された 多くの方々に改めて感謝し、これからの発展を祈って刊行の言葉としたい。

(2) 監修及び著者 (2002 年3月の所属)
監修 松 原 謙 一 国際高等研究所学術参与
著者 中 井 謙 太 東京大学医科学研究所助教授
  矢 田 哲 士 東京大学医科学研究所助教授
美 宅 成 樹 東京農工大学工学部教授
谷 口 寿 章 理化学研究所チームリーダー
中 村 春 木 大阪大学蛋白質研究所教授
藤 博 幸 京都大学化学研究所教授
郷 通 子 名古屋大学大学院理学研究科教授
鎌 谷 直 之 東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター長
森 下 真 一 東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授
阿久津 達 也 京都大学化学研究所教授
金 久  實 京都大学化学研究所教授
冨 田  勝 慶応義塾大学先端生命科学研究所・環境情報学部教授
五 斗  進 京都大学化学研究所助教授
五條堀  孝 国立遺伝学研究所教授
舘 野 義 男 国立遺伝学研究所教授
深 海  薫 国立遺伝学研究所助手
渡 辺 日出海 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教授
秋 山  泰 産業技術総合研究所生命情報科学研究センター長
高 木 利 久 東京大学医科学研究所教授
高 井 貴 子 東京大学医科学研究所講師
福 田 賢一郎 産業技術総合研究所生命情報科学研究センター研究員
蓑 島 伸 生 慶応義塾大学医学部助教授



150 情報生物学講義
情報生物学講義(No.151〜169までの全ての論文)
151 中井 謙太 55頁
書籍版
¥940(税込・送料込)
遺伝子の機能予測概論
サンプル
書籍版購入:   
152 矢田 哲士 38頁
書籍版
ISBM 4-906671-23-3
¥730(税込・送料込)
ゲノム配列からの遺伝子発見 サンプル
書籍版購入:   
153 美宅 成樹 30頁
書籍版
¥730(税込・送料込)
ホモロジーのない配列の解析 サンプル
書籍版購入:   
154 谷口 寿章 38頁
書籍版
¥835(税込・送料込)
プロテオミクスとバイオインフォマティクス サンプル
書籍版購入:   
155 中村 春木 42頁
書籍版
¥835(税込・送料込)
タンパク質立体構造情報:ホモロジーモデリングと分子認識 サンプル
書籍版購入:   
156 藤 博幸 34頁
書籍版
¥730(税込・送料込)
相同配列の比較による構造/機能予測 サンプル
書籍版購入:   
157 郷 通子 -頁
書籍版
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<準備中>
タンパク質のモジュール構造 サンプル
158 鎌谷 直之 48頁
書籍版
¥835(税込・送料込)
連鎖解析の理論と実際 サンプル
書籍版購入:   

159

森下 真一 28頁
書籍版
¥730(税込・送料込)
ESTのゲノムへの写像技術とその周辺 サンプル
書籍版購入:   
160 阿久津 達也 40頁
書籍版
¥730(税込・送料込)
遺伝子発現情報解析のための数理モデルとアルゴリズム サンプル
書籍版購入:   
161 金久 實 44頁
書籍版
¥730(税込・送料込)
KEGG/代謝マップ サンプル
書籍版購入:   
162 冨田 勝 34頁
書籍版
¥730(税込・送料込)
細胞コンピュータ・シュミレーション サンプル
書籍版購入:   
163 五斗 進 -頁
書籍版
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分子間相互作用データベースの構築と検索 サンプル
164 五條堀 孝
-頁
書籍版
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<準備中>
集団遺伝と分子進化 サンプル
165 舘野 義男
深海 薫
30頁
書籍版
¥625(税込・送料込)
分子系統学とその解析手法 サンプル
書籍版購入:   
166 渡辺 日出海
-頁
書籍版
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ゲノム進化生物学 サンプル
167 秋山 泰 -頁
書籍版
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<準備中>
バイオインフォマティクスと大規模並列処理技術 サンプル
168 高木 利久
高井 貴子
福田 賢一郎
40頁
書籍版
¥835(税込・送料込)
文献からの情報抽出と体系化 サンプル
書籍版購入:   
169 蓑島 伸生 45頁
書籍版
医学データベース −疾患遺伝子変異情報− サンプル

【お知らせ】
高等研選書および高等研報告書の販売については、4月1日より国際高等研究所にて取り扱います。
また、オンライン版(PDF)の取り扱いは中止させていただきます。書籍版をご利用下さい。
購入・お問合せ:国際高等研究所 学術情報出版のページ
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