はじめに
「塵も積もれば山となる」というのは“イロハかるた”にあります。
ここでは
「誤差も積もればガウス分布になる」というところから出発します。
ガウス分布は次のグラフ(図1)でみるように散らばりの様子を表すものです。はじめに、なぜ誤差がそのようなきれいな分布を示すのか、またそれがどんな場
合に現れるのかを見てみましょう。 “誤差”とか“ノイズ”或いは“ゆらぎ”というのは、その量がどれも偶然によって決まるもので、
たいへん扱いにくいものです。以前はそれらは誤差としてあきらめてしまうしか方法がなかったようです。
しかし、そんな不確実な事がらでも工夫すればきちんとした数学の話になるのです。実は、不確実なものも沢山集めると、
不思議なことにそこに「法則性」がでてきて、数学で扱うことができるようになるからです。
物を測ったときの誤差は、測るたびにいろいろな数値が得られますが、それらの数値の頻度を表すと図1のようになります。
これをガウス曲線と呼びます。そして、このような散らばりをガウス分布といいます。大きな誤差がでることは少なく、0の近くが多く現れ、またプラスの値と
マイナスの値とが同じ程度にでてきて、グラフは対称になります。
(理論的な話は付録1で示します。)
誤差の大きさ、あるいは測定の精密さはガウス曲線の広がりで表すのですが、分布は無限に広がっていますので範囲で示すわけにはいきません。
それで全体を100%とすると、0を中心にしてその約68 %がおさまっている区間の長さで散らばりの程度を表すことにします。 その大きさの半分を標
準偏差とよんで記号σで表します。標準偏差はは偶然量のスケールを表す目安になります。
そして、このσがきまれば、0を中心(平均)とするガウス分布はただ一つきまります。 |