出版物詳細カード
文 献No. S-18
著者名 古在 由秀
タイトル名 宇宙の仕組み
 − 特別なことと普通のこと −(Lecture)
内 容について ※本文の最初の文章を掲載いたします。

まえがき
 
150億年前にビッグバンで誕生した宇宙は、現在も膨張を続けている。この膨張はいつまでも続くのか、将 来、膨張が収縮へと変わるのかということが、天文学の命題の一つである。しかし、ビッグバンについての有力な学説によれ ば、膨張速度は最後には限りなくゼロに近づくが、膨張は止まることはないといわれている。これは、膨張が続く場合と収縮に転ずる場合の中間に当たる特別な 状態である。
 考えてみれば、ビッグバンの後、間もなく宇宙が収縮を始めると、宇宙には星も銀河も生ま れることができず、したがって我々も存在し得なかったはずである。逆に、膨張がとても速い 速度で進んでも、星や銀河のもとになる密度の 高い物質は、初期の宇宙からすぐなくなってしまったであろう。我々が存在しているのは、特別な条件でビッグバンが起きたためである。
  人間が地上で誕生したのは、二酸化炭素の含 有量が特別な値になったためということは、本文中で述べるつもりである。人類など動物は、きわどい条件のもとで生まれ、生存しているのである。
  国際高等研究所の講演会で話をした時は、「不思議なこと、不思議でないこと」という題 目であったが、題目は変わっても、内容は変わっていない。特別なことにも、不思議なものと、不思議でないものがある。不思議なことを不思議でなくすのが、 自然科学者の役目なのだろうが、最後まで、宇宙には不思議なことが残ると考えている。

頁 数 55頁
書籍版
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